D' s Basement supplement

キノコ・植物・博物館
このところ通常の更新はTwitterまたはFacebookから、となっています。このBlogはまとまったものを検索可能な形で置いておきたい、という場合のために運用を続けています。 日常を表現しているツイッターはアーカイブ http://twilog.org/sakumad2003/ をご確認ください

博物館の「望ましい基準」のパブコメ下書き

以下は佐久間の
「博物館の設置及び運営上の望ましい基準の全部を改正する告示案」に関するパブリック・コメント(意見公募手続)の実施について
への下書き。

◯文部科学大臣が定める意義
本戦略は博物館法8条に基づき、文部科学大臣が定め、公表するものである。博物館に関する行政は現在、文化庁の所管になっているが、文部科学大臣として、広く学術の振興・学校教育と社会教育・文化の発展の視点から博物館政策への言及が望まれる。学術の発展を支える様々な分野の研究資料や証拠標本を担い、実物を通して児童から地域住民にまで教育の機会を提供し、地域の文化や伝統を記録継承し、発展させる博物館の役割を所管大臣として位置づけていただきたい。
そのためには
科学技術基本計画及び科学技術・イノベーション基本計画、教育基本計画や生涯学習推進体制、文化芸術推進基本計画などへの言及を3条3項などに追加すること
が必要と考える。
今後、相互参照として他の計画などにも博物館について書き込みを促進することを望む。

関連して12条には「家庭及び地域社会との連携」が述べられるが、ここには「他の博物館」だけでなく、WG原案にある通り、「公民館、図書館、文化会館、劇場、音楽堂」などとの連携を記述すべきである。この言及は文化庁と文部科学省の政策連携のためにもぜひとも必要であり、この点において、文化庁長官ではなく文部科学大臣による告示である意義がある。文化芸術基本法に従う観点からも図書館などを含め言及すべき内容である。

◯望ましい基準を実現するための戦略の必要性
文化芸術基本法では文化芸術基本計画を定め、計画的な推進を定めている。定期的な改訂がなされ、計画に沿った施策が実施される。望ましい基準も、法に基づき大臣が「博物館の健全な発達を図るため」に定めるものであり、その達成に向けた施策の立案が必要になる。望ましい基準を達成するための期限を定めた計画、戦略の策定が必要だと考える。文部科学大臣が出す告示として、望ましい基準は、博物館設置者、指定管理者およびその選定を行う自治体、博物館館長、学芸員、スタッフ、関係者に様々な要請をしているが、要請する側の文部科学省および文化庁の博物館支援に向けた中長期政策が明示的に示すことが必要と考える。要請の実効性を

◯研究について
8条は博物館の研究の促進として学芸員個々の研究だけでなく、交流、公表、研究支援など幅広く言及している。この言及自体は歓迎するところであるが「博物館資料に関する研究」という限定的に受け取られることのある定義を実態に即して、「博物館資料とその関連情報に関する研究」と改訂すべきである。
また、3条5項にある「国際的な状況や海外博物館の動向」は海外調査や生物多様性保全、人権配慮など研究にも当てはまる内容である。このため動揺の文言を8条にも追加が必要である。

◯指定管理者に対する言及について
自治体の指導の必要などが言及されたところであるが、破綻時や指定管理者撤退時の資料・人員などの引き継ぎプロセスも自治体が定める必要がある。実際指定管理者の交代によって学芸員も含めた専門職員が大幅に入れ替わることは資料や教育活動の継続の大きな障害になっており、しばしば問題も産んでいる。これを避けるための十分な取り組みを自治体に要求すべきであろう。
法に書かれていない6条2項のような多様な方針策定を要求するのであれば、破綻処理・後退時に関する取り決めの要求も十分できるはずである。

◯利用者の要望に基づく合理的配慮
9条2項にある「特に配慮を要する者の円滑な利用」や11条に書かれる配慮は、利用者要望に基づく合理的配慮のプロセスから外れ、管理者側の一方的な配慮となっている。利用者の要望に応じた、双方の交渉に基づくといった合理的配慮基準に基づくよう表現を改められたい。

◯資料の廃棄や譲渡の基準について
6条2項に書かれた資料の譲渡や交換、廃棄基準の策定に対しては、所管省庁として文化庁が要求すべき配慮点が多い。
・文化財保護法との調整が必要である。多くの歴史系博物館で大部分を占める出土遺物の廃棄手順が文化財保護法では想定されていない。所管省庁である文化庁内で調整がなされない限り、自治体が勝手に定めることはできないだろう。
・ワシントン条約など環境省管理下で譲渡された資料の廃棄や譲渡は、同条約では厳格な手続きが必要になる。文化庁として調整済みなのだろうか。
・民族に関わる資料・原産国で重要とされる資料の取り扱いはユネスコ勧告やICOM倫理規定で繰り返し慎重な取り扱いが要求されている。自然史資料でもICOM自然史博物館のための倫理規定で譲渡や売却、廃棄の抑制が強く示されているところである。

こうした配慮すべき法や規定、国際的基準・勧告への網羅的な言及が必要である。
逆に、そうした記載なしに自治体が配慮のない譲渡や廃棄基準を作ってしまったときの責は文化庁が追うことになる。できないのであれば、この記載は取り下げるべきである。

◯非営利組織の経営について
2022年法改正によって、私立博物館も、免税措置が広がった。これは博物館の公益的機能、すなわち、営利事業ではない博物館の「非営利的な事業」の重要性が認められた事による。
たしかに博物館は非営利事業ではあってもその活動の原資が必要である。しかし、その手法は営利事業と同じではない。3条4項が述べるように多角的な経営資源獲得が必要なことは疑いないだろう。
しかし、これは上述のように公共性の高い非営利組織の経営資源確保を前提とした活動であって、私的な営利事業のように拡大解釈されるべきではない。記述の前提を書き込む必要がある。

それにしても、収入の拡大はすべての博物館が追求すべきものだろうか?
低コストに徹し、無料開放で実施する博物館や、設置者が十分な資源を用意し、博物館活動は収入多角化を心配しなくて良いケースもある。個々に例示したケースが多数とは言えないが、3条5項をすべての博物館に求めるべき事項ではない。この点を配慮した書きぶりが必要である。

これらが難しいのであれば簡素な記述に留めるべきだろう。

とりあえず今夜はここまで。





学芸員という仕事をリアルに意識してみる。「学芸員のおしごとー集める・調べる・伝えるー」

oshigotobanner 現在、大阪市立自然史博物館では特別展「学芸員のおしごとー集める・調べる・伝えるー」を開催中です。この特別展は自然史系の博物館での学芸員の活動を、主に資料を中心に紹介したものです。
博物館のことを知りたい方にはもちろん、職業としての学芸員を目指す方、博物館と連携して研究を進めたい方にもきっと参考になると思います。高校生、専門学校生、大学生、大学院生で具体にイメージを知りたい人に特におすすめです。

文化財関係を学ぶ学生さんにも良いでしょう。他の分野の博物館、例えば歴史系や美術系とは少し異なる部分もあるかもしれません、しかし、共通する部分も案外見いだせると思います
教員の方もぜひ学生さんの背中を押したげてください。(年末年始の休館、会期末に注意)
https://omnh.jp/tokuten/2025oshigoto/

末尾にちょっとしたイベントの案内も載せてあります。

【特別展概要】
博物館では「学芸員」と呼ばれる人たちが働いています。しかし、学芸員が具体的にどのような仕事を行っているのかはあまり知られていません。この特別展では、自然史博物館が取り扱う「標本」に着目し、学芸員が標本をどのように収集・管理し、研究を行い、社会に伝えているかを紹介します。
学芸員という職業に興味のある方、将来学芸員を目指そうという方、博物館活動全般に興味のある方はぜひお越し下さい。

■観覧料:大人500円、高校生・大学生 300円、中学生以下は無料。
※本館(常設展)とのセット券などもあります。詳しくはホームページをご覧下さい。

■会期:〜令和8年2月1日(日)

■開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)

■休館日:月曜日(ただし、月曜日が休日の場合はその翌平日)
年末年始(12月28日〜1月5日)

■会場:大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)

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■特別展関連行事「学芸員・研究者になりたい向け相談会」
学芸員になりたいという方向けに、特別展内の「学芸員席」で相談会を実施します。学芸員になったきっかけや、日々の仕事のこと、大学での関連分野の勉強や学芸員課程のこと、自然史分野の勉強方法など、みなさんの質問に答えます。学芸員になりたい高校生や大学生・大学院生はもちろん、学芸員という職業に興味のある小学生から社会人の方まで来場をお待ちしております。
日程:1月17日(土)、1月18日(日)、1月31日(土)、2月1日(日)  それぞれ10時〜16時
会場:特別展「学芸員のおしごと」会場内
参加費:無料。ただし特別展観覧料が必要です。
窓口担当:
1月17日(土):石田学芸員(動物研究室)
1月18日(日):中条学芸員 (第四紀研究室)
1月31日(土):長谷川学芸員(植物研究室)
2月1日(日):佐久間学芸員(植物研究室)
※他分野の学芸員も対応可能です。
その他:待ち時間が発生する可能性があります。


2025書いたもの、喋ったこと

懺悔的な2025年のログを整理している

2025年に書いたり喋ったりしたことは
●査読付き論文としては
Three new tricholomatoid dark blue Entoloma spp. from temperate forests in Japan, with the redescription of E. cyanonigrum
Yasukazu Ohkubo, Daisuke Sakuma, Hiroshi Masumoto
Mycoscience 66(6) 322-333 2025年11月20日

コモンズを維持成長させるミュージアムコミュニティ―大阪市立自然史博物館の市民科学者育成を普及誌Nature Studyから検証する―
佐久間大輔
The KeMCo Review (3) 51-61 2025年3月

自然史資料は研究資源であり文化資源でもある ─地域の文化資源を担う自然史博物館─ 佐久間大輔
地学雑誌 134(1) 41-52 2025年2月25日

と僅かに3本。もう一本書きたかった。全部リンクついてるのでオープンアクセスです。

●査読付きでないものはそれなりに多い。

書評:文化的コモンズ 文化施設がつくる交響圏
佐久間大輔
専門図書館 (322) 57-58 2025年10月

「わからない」の魅力、「わかりにくい」のいらだち
佐久間 大輔
現代思想2025年10月号 53(12) 129-139 2025年9月

博物館を「SDGsを語る場」とするために必要な仕掛けと人材 〜大阪市立自然史博物館RISTEX事業の取り組みから〜
佐久間大輔, 松井彰子, 山中亜希子, 神山雄人
金属 95(9) 35-42 2025年9月1日

ミュージアムコミュニティと学芸員の内的動機
佐久間 大輔
LRG51:文化的コモンズ 地域で展開する (51) 2025年5月

博覧会と自然史博物館の「大阪の宝」
佐久間大輔
NatureStudy 71(4) 2-4 2025年4月

博物館を「SDGs を語る場」とするために 必要な仕掛けと人材 〜大阪市立自然史博物館 RISTEX 事業の取り組みから〜
佐久間 大輔, 松井 彰子, 山中亜希子, 神山 雄人
全国科学博物館協議会第 32 回研究発表大会資料 83-89 2025年2月13日

都市の隙間の棚田 〜大阪府 穂谷・尊延寺地区〜
佐久間大輔
棚田学会通信 (75) 6-8 2025年2月

書評:高野温子・三橋弘宗編「自然史博物館の資料と保存」
佐久間大輔
日本生態学会ニュースレター (65) 20-21 2025年1月

この中では現代思想に結構時間がかかったし、力も入れた。お陰でちょこっと評判をいただいたりもしている。商業誌なのでオープンアクセスではないが、欲しい方は直接メッセージでもください。

書籍も結構書いているのだが、形になったのはこの2冊。

図説 日本の里山: 73の里山のくらしと生物多様性
湯本 貴和, 佐久間 大輔, 鎌田 磨人, 原 慶太郎 (担当:共編者(共編著者))
朝倉書店 2025年5月 (ISBN: 9784254171976)

「いらっしゃい!大阪の海のさかなやさん」 〜自然史博物館で考える海と生活
山中亜希子, 川上和歌子, 松井彰子, 佐久間大輔, 神山雄人, 佐々木 亨, 源 由理子 (担当:分担執筆)
大阪市立自然史博物館 2025年3月

この他、先日校正を返したものが新刊リストに上がっている。やはり来年に出るようだ
必携文化財防災の手引

あとの3冊は、、どうなるのかなぁ。

近日刊行になるものとしては
先日吐き出した宿題が1、これから締め切りが来るものが2,原稿を頼まれている本が2、内部の原稿1、書きたいと思っているものが2。出版物ではないが神奈川方面からの依頼が1。とたくさん降り積もっている(なんか忘れている気もする)。冬休みは忙しい。冬の間に要旨も出さないといけない。

しかし、きのこもあるが、ほとんどやはり博物館学ではないか。。
2026年はきのこ関係少し増やすぞ、、と。里山は積み残しイベントは早めにやりたい。しかしどうするかね。

喋ったこと(講演など)はオフィシャルなものはここに乗せてある。
載っていないのは
2月博物館新登録制度_疑問や課題の解決相談[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[
3月Post excursion of International Camellia Congress 2025 Tokyo, Shiichiro KISHIKAWA Camellia Books Collection
5月越境フォーラム「図書館と博物館の望ましい基準」
6月「博覧会と大阪の宝」
7月大阪市教員研修
8月生態学!知れば世界は変わる?−「教養の生態学」出版イベントー
10月シンポジウム「大阪のレッドリスト改訂と生物多様性ホットスポット」
  図書館総合展「植物標本画像でいろいろ試してみた」
11月越境フォーラム18「ポピュリズム時代の文化政策」
12月JICA博物館研修「Museum & community」
  越境フォーラム19「望ましい基準」
よく喋った。つまりこれらをまとめていくことが必要ということでもある。

2025年に行ったフィールド、博物館

2025年に行ったフィールド、博物館。
フィールドは観光でなく、調査などで行った場所のみ。博物館は、常設・特別展を問わない。
博物館にかなりいってるのは、一つには11月の全国大会の準備という理由がある。
数だけ比べると菌類学の人より博物館学の人と言われても仕方ないかもしれない。それは本意ではないが。。


【フィールド】
4月
京都西山(春植物)
能勢町(クヌギ林整備)
5月
比叡山(5月、7月)
茨城県桜川市
6月
島本町若山神社
大台ケ原
龍谷の森
枚岡公園
奈良県宇陀市
7月
島本町水無瀬
箕面市箕面公園
菅平
8月
大台ケ原
9月
摂津峡
安威川ダム・千提寺ビオトープ
京都植物園
10月
摂津峡
11月
田上山


【博物館・展覧会】
1月
国立科学博物館(鳥展・貝展)
大阪歴史博物館(稲作民俗事始め―米をつくる技術、米がつくる文化―)
2月
クリエイティブセンタ―大阪(CCO)(田中秀介展お前と過ぎ去らせた日の目の引き出し)
兵庫県立人と自然の博物館(アップサイクル展)
伊丹市昆虫館(ゲッチョ展)
和歌山県立自然博物館
兵庫県立考古博物館
明石文化博物館
明石城
3月
4月
淀川資料館
国立民族学博物館(民具展、アラビア書道展)
大阪市立科学館
おにくる
5月
松浦武四郎記念館
MieMu
梅小路公園展示館(苔類展)
大阪大谷大博物館
国立国際美術館
心合寺山古墳学習館
万博(5月、9月)
6月
京都国立博物館(国宝展、WS)
岐阜県立博物館(6月)
内藤くすり記念館
かがみがはら航空宇宙博物館
7月
高槻市立今城塚古代歴史館
8月
大阪科学技術センター
適塾
利晶の杜
いずみの国歴史観
久保惣美術館
歴史館いずみさの(松茸山の鑑札)
天王寺美術館
北九州市立いのちのたび博物館
堺市立博物館(堺の宝もん)
9月
あくあぴあ芥川(水棲昆虫展)
東京大学 インターメディアテク(植物顔)
国立科学博物館(氷河時代展、植物×技)
東京国立博物館
京都府立植物園
10月
心斎橋PARCO GALLERY OSAKA (士郎正宗の世界展)
京急ミュージアム(入口のみ)
東洋陶磁美術館
11月
中央公会堂展示室
岸和田城
だんじり会館
きしわだ自然資料館(30周年展)
12月
京都大学博物館(資料調査のみ)
山形大学博物館
山形県立博物館
最上義光歴史館
琵琶湖博物館





友の会サミット2025

SGCAM_20251130_0101210842022年に改定されたICOM博物館の定義には「倫理的かつ専門性をもってコミュニケーションを図り、コミュニティの参加とともに博物館は活動し」と博物館の周りに対話するコミュニティを育み、その参加を必要としていることがはっきりとうたわれている。


抽象的にはその理想像に異論を挟む人は少ないだろう。日本国内でも博物館に「対話と連携」が重要なことは21世紀初頭から繰り返し語られてきたところである。では、具体的に博物館の周りのコミュニティをどうやって盛り上げていくのか。大阪市立自然史博物館ではこれまでも何回か、繰り返しオープンな議論の場を持ってきたそれぞれがどんな内容だったのかはリンク先を見てほしい(NSの過去記事は大阪市立自然史博物館友の会に入らないと見えないのがすみません)

2004年プレサミット
https://omnh.net/ns_online/html/v51/51-08_003.htmlhttps://omnh.net/ns_online/html/v51/51-09_003.html

友の会サミット2005
https://omnh.net/ns_online/html/v51/51-07_008.html

友の会サミット2015
https://www.naturemuseum.net/?p=372
https://www.dropbox.com/scl/fi/rw37iyi5xujholl9wy6ab/summit2015.pdf?rlkey=0jf28p3ejg1dnh0novgfhr1qm&st=6dnco4hx&dl=0

このように、2005年以降10年おきに開催している。2005年が友の会50周年であり、その周年行事のようになっている面もある。
こうした経緯の中で2025年11月29-30日に
「友の会サミット2025 博物館コミュニティの未来を考える」
を開催することになった

https://omnh.jp/archives/13288

もう少し書くと、2004~5年は友の会がNPO化して間もない頃で、この先どっちの方に向かっていくかを考えていた頃。一方で2015年は東日本大震災後のレスキュー活動を超え、NPOが社会の支援を受けるといろいろなことが出来るということを知った頃。そして、今回になる。
今回は冒頭に書いたように博物館に取りコミュニティの重要性が国際的にも認知され、その強化が博物館の活動に大きく影響をするといった中での開催である。

●基調講演は稲庭佐和子さんと佐久間で行った。
東京都美術館とびらーの立ち上げからインクルーシブなコミュニティの話まで。自然史博物館に限らない話にしたかったからだ。佐久間の方で、そのあたりは自然史博物館の活動に引き戻した。


佐久間のプレゼンはこちら
●団体紹介は参加者のロールコールのよう。
団体紹介は北海道から沖縄まで集まり、会場に来ていた人の所属は45団体にもなった。
懇親会含め、様々な情報交換が個々かしこで行われていた。

●2日目は分科会の日。分科会は
分科会1 講堂「友の会の運営体制」
分科会2 集会室「友の会の面白活動」
分科会3 講堂「運営側の世代交代、リクルート」
分科会4 集会室「資金調達・寄付・グッズ」
どれも時間超過気味。それぞれの悩みと解決への模索が詰まっていた。

博物館や役所、あるいは社会と関係を気づいていくためには、透明化や説明責任などを無視しない、
若手を求めて若手に負担をかけるのではなく、どのように負担を分担できるか。未開拓な同年代(降霊世代も含む)の参加を促すか、そして
「狂気」のプロデュースなど、さまざまな仕掛けの必要性等色々と話題は盛り上がった。なんとか報告としてまとめていくつもりだ。
今回、横のつながりを持つことの大切さが改めてクローズアップされた。博物館学芸員の横のつながりは、不十分ながらもあれこれとある。今回の開催もそうした人間関係の骨格によるところがある。
しかし、友の会関係者同士が知り合う機会はかなり限られていることを改めて感じた。


第73回全日本博物館大会備忘録

取り急ぎ、第73回全国博物館大会の全日程が終わりました。
当日の様子は後日、日本博物館協会から録画のYOUTUBEがアナウンスされるでしょう。
(FBに書いたものに書き足して、メモとして記録します。)

私の役目は演者のキャスティングと議論の全体取りまとめシンポ、エクスカーション手配だったが、ロジを担っていただいた皆さん、会場担当いただいた皆さん、エクスカーション先でご案内いただいた皆さんのご協力で大禍なくとりあえずは終えられたと感謝しています。

反省と備忘録、
初日、基調講演はリベンジをお願いしようと。「枕」で落ちてしまった。あと、「望ましいあり方」は今大会プログラムで十分議論ができなかったので別な場を用意する。
フォーラムは2日目の分科会や総合討論の良い引用元になりました。

2日目、各分科会とも盛り上がってよかった。
第1分科会(スマートミュージアム)は人数からあの会場でいけるかと踏んでいたが、出店業者の皆さんがこぞって集まったので溢れてしまった。この点は読めていなかった。
第2分科会、スクリーンがやや小さく申し訳無かったです。
第3分科会、その後の話でもあったが、この大会自身をもっとインクルーシブにすべきだという声がありました。少なくともエントリーフォームを改善してもらいたいと思います。事務局への引き継ぎ事項。

語の定義ができていないという方はその人に腹落ちする定義になっていないということであって、分科会個々ではしっかり提示されていたとおもいます。どの分科会に出ようか迷った、全部出たい、という声があったのは企画側としてはありがたい限り。録画見れるはずなのでご安心を。

総合討論ではSLIDOを使ってみた。日博協イベントでは初なのかも。いつもはこの総合討論、各座長が無理くり各分科会の議論紹介をまとめて、議論の時間があまり取れないものだった。なので今回は思いっきり議論に時間をふった。
博物館大会シンポ

議論の構成は以下のような時間配分は結果として良いバランスで落ち着いたか。
分科会の細かい振り返りはYOUTUBE視聴に任せるとして、
コーディネーターとしての所感と全体の議論に30分、
関西博物館連盟とICOMの話に30分、
SLIDOからの議論提起に対応するのに30分、
オープンマイクで30分。

SLIDOを使ったのは博物館と社会・世界の持続可能性の話はキーワードが多すぎて、興味がどこに行くのかなと思ったこと。500人の総合討論だと、手を上げて発言できるのは「勇ましい意見」ばかりになりがちで、「弱い意見」が出しにくい。勇ましくない意見の人たちが「取残された感を持ちやすい」「参加している気分がしない」と考えたから。
500人のオーディエンスから91の意見が出て、最多61いいね(上位5件で205いいね)がついたのは、主体的参加がある程度実現できたと言っても良いでしょう。統計によれば367人のアクセスがあり、半数が投稿かいいねをした模様。
スクリーンショット 2025-11-22 17.34.44

内容は、YOUTUBEで見られることへの歓迎や、基調講演の完全版期待の他に、学芸員の雇用などの働くもののウェルビーイングをしっかり議論してほしいというものなど、切実なもの。これを内向きな議論だ、と切るのではなく、今大会で議論したような「社会との結びつきの強化」や「理解形成」からしかその実現がはかれない構造そのものや、組織に期待(絶望)するだけでなく、個としての処し方の意見を拾えたことは良かったと想う。
slidoは可視化と参加には効果のあるツールではある。が、議論をハンドリングするのが難しい、という場合にはパンドラの箱的なところもあるかもしれない。今回はその辺は覚悟の上で使った。持続可能性の話自体、みんなが納得の結論は難しいし、雇用の話はこの時間ではとても収拾をつけられないのは最初から覚悟の上(マンパワーと仕事量の問題が出てくるとは考えていた)。
まぁシンポジウムのDXの一つの手法をお見せできたというところか。どうぞ皆さん、それぞれの場でよく考えてお使いください。

オープンマイクでも大事なトピックが提出された。建設的な議論の中でシンポを閉じられたのはオーディエンスとパネリストに感謝しかない。今大会に関与していただいたすべての皆さんに感謝です。
最後はコーディネーターコメントでまとめましたが、今後も議論が続くことを望みます。
博物館大会シンポ2


エクスカーションでお邪魔した各博物館の皆さんにも望外のホスピタリティを発揮いただき、とても楽しいものになりました。私は南側Bコースでしたが、Aコースも楽しかったようで、こちらも皆様に感謝です。
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横山和正先生の資料

私が研究室に誰も菌類がわかる人いないのに菌根研究を始められたのは、きのこのいろはを教えてもらった横山和正先生と、当時農学部の大学院生だった菊地淳一さんに負うところが大きい。
今日は、その菊地さんと横山さんの資料が詰まったアパートに伺った。
横山先生は2025年6月、悪性リンパ腫にて逝去している。大変急なことで、皆、時間がたってから知るところとなった。関西菌類談話会の告知

この夏以降、この資料にぼちぼちと対処している。未整理標本ばかりというわけではなく、しかし良好な状態の標本ばかりでもけしてない。色々と時間がかかりそうだが、面白いものもありそう。これも「学芸員のおしごと」だが、コレクションのお持ちの方にはぜひに情報交換のできる生前に、整理した形での寄贈をお願いしたい。

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シンポジウム「大阪のシダと標本庫 これまでとこれから」9月7日

特に第2部に参加される方は
申し込みフォーム→ https://forms.gle/JCEpFMjjJGm16rRh6
への記入を学芸員、センターの方もよろしくお願いします。

転送歓迎



佐久間@大阪市立自然史博物館です
9月7日(日)に以下のシンポジウムを開催します。
言わずもがなですが2025年4月22日、お亡くなりになりました当館元植物研究室学芸員の瀬戸剛(せと・こう)さんの追悼イベントでもあります。

興味のある方に転送いただければ幸いです。


シンポジウム「大阪のシダと標本庫 これまでとこれから」

2025年、大阪市立自然史博物館では『新訂 大阪府植物目録 第1巻 シダ植物』を刊行させていただきました。目録は、大阪府の生物多様性、そしてレッドリストを含むその保全を考えていくための基礎となるものです。今回の目録は、最新の見解を基礎としているだけでなく、博物館に収められた標本を根拠にし、引用した、のちの時代も再検証が可能なものとして作られたものです。こうした事が可能になったのは大阪市立自然史博物館の植物標本庫、特に先日亡くなられた瀬戸剛氏のコレクション形成に掛ける努力と情熱があったからと言えるでしょう。シンポジウムではこの目録についてご紹介するとともに、その基礎となった瀬戸コレクション、これからの標本庫のことをお話したいと思います。

■日時:2025年9月7日(日)15時‐17時 
■場所:大阪市立自然史博物館 講堂
■定員(講堂での聴講):先着170名。申込みは不要です。
■対象:どなたでも参加できます。
■参加費:無料(博物館での聴講の場合は博物館入館料が必要)
■接続方法:YouTubeの「大阪市立自然史博物館」チャンネル(https://www.youtube.com/c/大阪市立自然史博物館/ )にアクセスして表題の番組をクリックしてください。開始時間になれば始まります。番組を見つけられない場合はYouTubeの検索ボックスに表題名を入れて検索してください。
■見逃し配信:10月13日(月祝)まで見逃し配信を行います。同時配信を見られない方はご覧下さい。
■主催:大阪市立自然史博物館・しだとこけ談話会・奈良植物研究会・近畿植物同好会

【プログラム】
館長挨拶

「大阪市立自然史博物館植物標本庫の概要と『新訂 大阪府植物目録 第1巻 シダ植物』」
  長谷川匡弘 (大阪市立自然史博物館主任学芸員)

「『新訂 大阪府植物目録 第1巻 シダ植物』のシダから 瀬戸剛さんの認識力」
  山住一郎(近畿植物同好会 会長)

「瀬戸さんのハーバリウム・マネージメント 縁の下の力持ち」
  岡本素治 (きしわだ自然資料館 館長 元大阪市立自然史博物館植物研学芸員)

「初対面から65年−瀬戸さんの標本から学んだこと」
  梅原 徹(認定NPO法人大阪自然史センター 理事長)

「奈良県のフロラ調査と瀬戸さん」
  尾上聖子(奈良植物研究会)

進行:佐久間大輔(大阪市立自然史博物館)

■問合せ:佐久間大輔(大阪市立自然史博物館)
sakuma@omnh.jp
●終了後、関係の皆さんでの第二部を行います。


〇第二部懇親会「瀬戸剛さんを偲ぶ会」
シンポジウムの終了後に、懇親会として「瀬戸さんを偲ぶ会」を開催します。瀬戸さんを偲び、思い出を語り合うとともに、シダをはじめとした植物について興味のある人々が親睦を深める場になればと思います。
瀬戸さんとお付き合いのあった方をご存知でしたら、この案内メールを転送していただき、お誘いあわせの上、ご参加いただければ幸いです。

■日時:9月7日(日)午後5時半〜7時半頃
■場所:大阪市立自然史博物館 周辺
■会費:5000円程度を予定
■定員:100名程度
■申込:8月24日(日)までに、以下のフォームから、お申し込みください。また、参加できない方もぜひフォームからメッセージをお寄せください。(無料)
当日スピーチを希望される方もフォーム内でお知らせください。
申し込みフォーム→ https://forms.gle/JCEpFMjjJGm16rRh6


9月19日更新
シンポジウム、その後の第2部含め大変温かい良い会になった。参加ただいた皆様に感謝。
そして参加できなかった方のためにYOUTUBEの動画をこちらに。
なお「しだとこけ」誌上にて追悼特集の予定。






大衆教育社会







こちらの新書2冊をここ2週間あまりで読み込む。読み込むというほどしっかり読み込めてはいない。メモを取りながら再読しても良いとは思うが、今回は図書館だったので時間切れ。
読み始めたのはたまたまラジオで聞いた苅谷さんのお弟子さんの教育社会学の人(お名前失念)の対談が面白かったから。教育と家庭の文化資本のことをちゃんと読んでおかないと、と前から思っていたので、まずはこの本だろうと、読んでみることにしたのでした。
結論として大変勉強になりました。
博物館という、学校教育システムとは切り離されているところにいるからこそ、対比したり考えること多数。
『大衆教育社会のゆくえ』は30年も前の著作でありながらも、いやだからこそかもしれないが自分自身の学生時代を振り返りつつ、刺激にもなる。
戦前、あるいは戦後の教育の中での課題としての、貧困、地域や職業と行った前提条件による進学の課題、『大衆教育社会のゆくえ』では、これが高度成長とともに見えにくくなることが示されるが、『教育と平等』の中で、現在もこの問題がしっかりと影を落としていることが示される。
海外の階級社会や人種の階級よりマシ、という意識の背景に学歴をつければより良い社会的ポジションに行ける、という社会的な意識、だからみんなよりよい学校に行くんだ、となりそれが農業人口から都市での工業・サービス業への就労人口構造転換にリンクしていたという話も頷ける。
 その構造転換の受け皿がなくなったポストバブル以降の氷河期世代の課題にもつながるのだろう。

 出身階層とかではなく、学歴と実力(社会の中で通用するノウハウ的なもの)が比例すると勝手に仮定した社会=学歴社会というのも、よく分かる指摘だ。この本の中では高校教育までしか俎上に乗らず、大学教育の話は殆ど語られないのだが、大学が就職予備校のように実務スキルを求められてしまう現状もこの認識の上にあるのだろう。本来は本書の中でもチラリ出てくるように、欧米的な大学教育は実務につながるというより、教養主義なはずだ。念のために書くと、慶應義塾で福沢諭吉が追求した『実学』も実用主義の話ではなく、実証的科学とされる。詳しくはこちら
 これだけ学歴社会が覆ってしまうと、その中で改めて教養主義に立ち戻ることができるのか。博物館も福祉に役立つとか理科教育の向上にとか、実用面ばかり強調されてしまうこの頃、学術のあり方にも関わるなぁと改めて思う。
 「能力主義的差別教育」には大学への選抜とか、能力をどういう観点で見るのか、社会を多軸化しなければいけないという想いを強くした。単純な学歴社会を批判する声がかえって学歴が大事だという認識を強化してしまったというのも頷ける。そういう世の中での序列を混乱させるから大学院から他大学に移るような話を「学歴ロンダリング」なんて揶揄するのだろうか。実力でなく、レッテルで評価しようとしている、あるいは評価されることを前提としたような話ではないか。研究をしている人間からすると、どこの大学にいたのかなんて、その人がどんな人的ネットワークを持っているかぐらいにしか関係しない。
 あるいは学歴が努力や実力によると無批判に考えているからアファーマティブ・アクションを適しするのかもしれない。現代生じているいろいろの課題は、書かれていないが色々連想が広がる。
単純じゃない、という話は本書を読めば理解できる。最後の「教育に何ができないのかを考える」ことが大事、というところも刺激的だ。ここはもしかすると、学校教育にできないことであってむしろ博物館は追求しても良いところと考えても面白いのかもとか考えた。

『教育と平等』は財政基盤を元に、教育の地域格差をどのように克服していったのか、その中に埋め込まれていた、個人ベースの考え方、集団ベースの考え方を対比していて面白い。
国家による資金投入という基盤の整備と、画一化、標準化という動きは今後の博物館のサポートという事を考えても色々連想させる。都道府県教育委員会が地域間格差を克服するために市町村の教員人事を担うようになるプロセス、動機も博物館であったならどうなのだろうと対比しながら読んでしまった。市町村のボーダーに学芸員の活動が縛られるのはあまりにも理不尽でもあり、またキャリアパスを考えるときに広域化であるとか、広域自治体、国による経費分担という議論はあり得る議論なのだと思う。
後半、あまりにも日本的なシステムである「学級」という仕組みがクローズアップされていたのも興味深い。格差解消の中での教材基準の項に理科教育振興法の話は直接に書かれていないが、同じ文脈なのだろう。ここに博物館などの充実を書いたらセカンドスクール的博物館は強化されたのだろうか、などと色々連想する。
こうした財政制度に基づいた博物館の制度の歴史分析、例えば48基準はどのような意義を持っていて、どういう結果をもたらしたのかなど、色々考えていく手がかりになりそうだ、とおもった。

なおこの記事はこの本をおすすめしたい、という動機ではなく(いや教育関係者必読の良書だと思います)、個人の読書メモとして書きました。

イースターに想う

2025年、4月20日がイースターである。クリスマスと異なり、春分のあとの最初の満月の次の日曜日という決まり方なので。少々ややこしい。もともとはユダヤ教、つまりは旧約聖書に書かれる「過越のまつり」だったが、この決め方になってから(4世紀)完全には一致しないがだいたい同じ季節だ。新約聖書はナザレの人イエズスがベツレヘムに生まれ、エルサレムで死に、その後日譚までの話だ。イースター(復活祭)は過越のまつりにイエズスが処刑され、「復活」するという物語のクライマックスに当たる。

地中海のどん詰まり、アフリカとアジアと欧州が接する陸橋であるユダヤの地は数千年にわたり、常に各勢力がぶつかる場所であり、旧約聖書はそうした血なまぐさい話に事欠かない。イエズスの処刑の話もローマ皇帝の植民地支配の中の小競り合いと読むことだってできる。そもそも過越のまつりはそうした戦乱の中で生き抜いたユダヤ民族(イスラエルの民)がエジプトとの敗走戦に勝利し、エジプトを脱出してパレスチナの地に定住するという話だ。ラムセス2世の頃とされるから今から3000年以上昔の話だ。こういう民族的な伝承に基づく催事は民族意識の高揚する季節になるのは洋の東西を問わない。民族、宗教的なムードが加熱する中でイエズスが異端として扱われ処刑される、という季節だから過越のまつりの伝統に則り?イースターには出エジプト記が読まれ、イスラエルの選民意識を示す詩篇も各種ピックアップされる。キリスト教自体がその選民意識を継いでしまっているのでややこしいところだと私は感じるのだが。

こうした結果、現代においてイスラエルがパレスチナに対して全面的な虐殺をやってしまっている今日のイースターにおいて、復活徹夜祭は、イスラエル万歳、ユダヤ万歳の旧約聖書朗読のオンパレードになってしまうのだ。こうした状況にどう向きあえるのかが、カトリックの現代宗教としての価値が問われるところだと思う。宗教の中のイスラエル人と、現実世界のイスラエルをどう結びつけ、あるいは区別するのか。それは簡単ではないし、デリケートな話だけど、教会側から話していけないといけない話だ。
それなりに聖書研究をしていないと語れるものではないし、現代社会にしっかり向き合っていないと、立ち位置を見失ってしまう(語らなければいけない動機も見つけられないだろう)。

宗教を単に精神的な世界のものだけにせず、現代社会に向き合う。現代のコミュニティになれるか、重要な分岐点だ。カトリックにおいては第2ヴァチカン公会議とその後の解放の神学運動なども影響したと思う。教皇庁は穏健ではあったが、世界の情勢に向き合い、平和と公正を求めるプレーヤーとして機能してきた。
それはヴァチカンという強力な発信機関というレベルでもおこなわれるべきだし、実際(教皇により程度の差はあるが)ある程度なされている()。日本では濱尾枢機卿が特に発信力が強かった。何度も一緒に居酒屋で飲ませてももらったが、明快、豪快だった。
個々の教会のミサの場では司祭が説教という聖書朗読のあとの解題で、どのように語るかが重要になる。残念ながら昨夜のミサはそうではなかった。少し寂しい気持ちで聖堂をあとにした。

日本のカトリックコミュニティは様々な点で分岐点にいるのだろう。多文化共生を教会というコミュニティの中でどう実現できるか、問われていることを昨日も感じた。そしてそれに向けた取り組みも感じる部分があった、だからこそ司祭・司教のリーダーシップが欲しい。
参考
https://www.vaticannews.va/ja/church/news/2024-10/lecture-mons-kikuchi-catholic-church-in-japan-today.html

https://tokyo.catholic.jp/wp-content/uploads/2020/03/10kadaimatome.pdf

立澤史郎特任助教 退職記念研究会「人と動物のかかわり研究会」

立澤史郎特任助教 退職記念研究会「人と動物のかかわり研究会」
に参加した。
立澤さんとは私が修士の頃からの付き合いで、京都の国立国際会議場で行われたCITES92で地元NPOとしてCITES 92市民会議なんてのをやったり、その余勢をかって94年にはフロリダの次期締約国会議にまで参加してきたりした。京田辺で展開した里山調査もご一緒していただいてその帰路で私が事故を起こしたり。収支から関西にやってきた私の人脈をいろいろ増やしていただいたとも思ってる。
研究会は彼らしく、彼が達成したいろいろなこと、ということで終わらすつもりはサラサラなく、お題からして「地域主体の野生生物保全はなぜ難しい?」
どういう時代背景の中で彼が模索したのか、どういう対立構図の中で行われているのか、えぐり出すような構成になっていた。
どういう時代背景の中で立澤さんが模索したのか、という「話せば長い」プレゼンのあと、
野生鳥獣対策センターの阿部 豪さんから「論理からのアプローチ」
さらに里地里山問題研究所の鈴木克哉さんからは「地域づくりからのアプローチ」
が歯切れよく提示された。ウンウン頷きながら、勉強にもなりました。
さらにコメントとして佐久間も「場作り」鳥居敏男さんからは「制度づくり」の話をするなど。
予想通り時間がなくなり、となりましたが懇親会も盛り上がり、盛会でした。
これは関西場所をもう一回やるかね。

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日本生態学会自由集会 W22 宣伝

日本生態学会自由集会 W22 3月18日 14:00-15:30 Room B
博物館の生態学16 これからの自然史コレクション、保存と活用をどう進めるか
https://www.esj.ne.jp/meeting/abst/72/W22.html

なお、実施に先立ちまして前日の17日夜に
札幌中心部(場所は現在検討中)で懇親会を実施いたします。
おおよその参加人数を把握したいので、
懇親会参加希望の方は中濱 (naoyuki.halobates@gmail.com)に
3月13日までにご連絡いただければ幸いです。
(なおメールをしておきながらですが、中濱は別件がありまして
懇親会に参加できません、、、申し訳ございません。他の演者の皆様は
懇親会に参加予定となっております)

以下、集会の概要になります。
たくさんの方のご参加、心よりお待ちしております。

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自由集会 W22 3月18日 14:00-15:30 Room B
博物館の生態学16 これからの自然史コレクション、保存と活用をどう進めるか
佐久間大輔(大阪市立自然史博物館), 中濱直之(兵庫県立大学)
Daisuke SAKUMA(Osaka Mus. Nat. Hist.), Naoyuki NAKAHAMA(U. Hyogo)

 標本は過去の研究を再検証するための重要な証拠であると同時に、将来の活用が可能な研究資源である。そしてそうした標本は「自然史博物館」だけではなく、各地の大学や研究機関にも規模の大小はあれ、自然史コレクションが保存されている。しかし現在、物価高や収蔵スペースの不足などを背景として、自然史コレクションを取り巻く現状は非常に厳しいものとなっている。その一方で、デジタル拡張標本(DES)やミュゼオミクスをはじめ、自然史コレクションはこれまでにない新たな活用が開始されており、研究資源としての価値はますます高まっている。
 自然史コレクションは、活用により価値を損なうことなく高めることができる。この自由集会では、博物館や大学における標本保管状況の現状を共有するとともに、デジタル拡張標本やミュゼオミクスなどの国内外の潮流を含めて、改めて自然史コレクション活用と保全の方向性を検討してみたい。

[W22-1]
自然史標本をどう守る?〜博物館だけの問題にしない大学も含めた研究資源保全と活用 *佐久間大輔(大阪市立自然史博物館)
How to conserve natural history collections? Actions of SPNHC for
utilization and protection, not only in museums but universities
*DAISUKE SAKUMA(Osaka Mus. Nat. Hist.)

[W22-2]
やっぱり実物が大事 -ミュゼオミクスが拓く博物館標本の可能性- *中濱直之(兵庫県立大学)
The importance of the real -Museomics offers new potential for museum
specimens- *Naoyuki NAKAHAMA(U. Hyogo)

[W22-3]
標本庫に15年こもって感じる大学が所有する植物標本の状況と未来 *首藤光太郎(北海道大学総合博物館)
Current state and future of herbarium specimens stored in Japanese
universities, based on my herbarium works for 15 years *KOTAROU
SHUTOH(Hokkaido Univ. Mus.)

[W22-4]
地方中規模博物館自然史コレクションの現状・活用と課題〜標本は近現代を語る〜 *加藤ゆき恵(釧路市立博物館)
Current Situation, Utilization and Issues of Medium-Sized Local Museum
Collections- Specimens tell the story of modern times- *Yukie
KATO(Kushiro City Museum)

メモ『アレント入門』ちくま新書 中山元

年末のいろいろを脇において、半日がかりで読んだ。
ちょっと色々と自分の中でハンナ・アレントがキーワード化していたので、まずは入門。
もう一冊入門的なものは入手しているので、そっちはまた手を付けようと思う。
【気になっていた背景】
公共性、を議論する論文などで言及されることがしばしばということがひとつ。
全体主義的な風潮の中でも見直されているということがもう一つ。

以下ランダムにメモ。書いてあることをまとめてるというより、私が連想したことのメモ。なので書評ではない。
・全体を通して、なぜMuseum Definitionに "Reflection” (省察)という語が盛り込まれたのか。Communication とセットで読み解くのに役に立つだろう。そんなことはこの本には書いてないけれど、語が示す背景はうっすら理解できた。これだけでも読んだよかった。ちょっと背景また勉強してみたい。
・自民党ですらも「孤立・孤独」を相当危機的に感じていることの背景にはこういうことがあるんだろうな、と想像した。邪推かもしれないけど。
・少数民族問題、ホモ・サケル 日本の中での一部の人々がクルド人社会や韓国・朝鮮人、アイヌ民族などをあげつらう文脈と重ねるとよく理解できる。軽薄な主張の予防薬としておすすめ。
・私的領域・社会領域・公的領域のなかで演劇が語られるが、これになぞらえて博物館を語るとどうなるんだろう。「現われの空間」として存在するだけでも重要なんだろうなぁ。冒頭に上げたことに関係するのだと思う。
・労働(Labor)・仕事(Work)・活動(Activity)
を博物館になぞらえるとどうなるんだろう。アレントは(クラフト的な)クリエイティブなものをWork、生活のための労働をLaborとよんでいる。研究はまさにそれだが、研究者の自然観を表すような文章書き、分類観を示すコレクション管理もWorkと読んだっていい。本人のモチベーションの部分もあるかな。Laborは搾取されるものだが、「やりがい搾取」という言葉はWorkをLaborに貶めてるようにも思う。生活が保証されていないことが問題。
活動は他者と関わること。博物館ではここがないとやっぱりだめだよな、と。労働と消費を繰り返すだけでは孤立は深まる。推し活も大事ね。
・「悪の凡庸さ」の話はもちろんナチスの話ではあるんだけど、香港で起きた(ている)ことや今のロシア社会がどうなっているんだろうと色々と考えてしまう。日本だって様々な問題がある。標本の廃棄問題や様々な社会の中で置き去りにされている人々の問題まで、前出の少数民族、無国籍者問題まで読み解くための汎用性がある。それに立ち向かうためのReflectionであり、対話なのだが。
・自分の中のもう一人の自分との対話であるReflectionなのだけど、それの安易な代替策がSNSのエコー・チェンバーになってしまっているのではないだろうか。しんどいことを自分で考えることを避けちゃう部分はあるんだろうと思う。
・最後に取り上げられるカントの共通感覚の話、これを環境倫理に拡大していくとどうなっていくかなぁと連想した。里山ナショナリズム論はここらへんにも絡んでくる話。日本スゲーの共同幻想が欲しかったって動機よりどういう生活環境を保ちたいよね、という共通の判断の背景が必要だったのだと言う話もあるのかと。このあたりはこっちを真面目に考えている人に意見を聞いてみたいところ。

アレント入門 (ちくま新書)
中山元
筑摩書房
2017-01-27



(どうでもいいけど「幸福の●学」ってこんなとこも自分の主張に取り入れたがるのな、しょうもな)

2024年総括その3 2025年への繰越、来年やりたいこと

●まずは原稿関係
今抱えているrevisionを正月の間に片付けて返す。
言ってる間に別の校正もやってくるだろう。
あと抱えている報告関係が1,2あるのでこれも目鼻を付けたい。
その次には
佐々木さんからの依頼原稿が春まで。
夏頃には総括本の話もある。
WS関係の報告書もある。

色々あるので少々小括りを作ろうかという話もある。
これはそろそろと思っているのではなく、どっかで腹をくくらないとだめかも。

●次にプロジェクト関係
年始にはInnovateMuseum関係、レスキュー関係の各種研修が2月まで色々ある。

2月に全国科学系博物館協議会で発表、
3月に生態学会では自由集会を組んでいる。参加の方々はよろしく。
特別展の貝沼はサポートのみだけど、大阪の宝展(万博対応)とか国際椿会議のツアー対応とかがあるのでかなり多忙そう。

春はRISTEX向けに少し真面目に作文しないといけない

夏は博物館のリニューアルで忙しくなることを願っているが。

秋はICOMをどうするか、日本博物館協会の博物館大会@大阪をどうするか。
そして友の会サミットをどうするか。

あと里山シンポをやりたい。
2010年に2010年代のための里山シンポ―どこまで理解できたか、どう向き合っていくか―
2014年に2010年代の里山管理シンポジウムII 薪のある暮らしは何を変えるのか
そして
2020年に2020年代のための里山シンポジウムをやったことを考えると、そろそろ次をやらないといけない。



その他科研でハッカソンやりたい。
InnovateMuseumの時期をどうするか、ちょっとネタくりが必要。
DBの公開を3種類ぐらいやらないといけない。これは近々の課題。
その成果を持ってDA学会とかでも少し話したいな。菌学会でもできれば。

●フィールド
今年よりは和泉葛城山とか、大台ケ原にもう少し行きたい。
あ、北陸は少しじっくり行きたいと思ってる。
できれば良いシーズンに台湾も歩きたい。
会議で海外はぼちぼち飽きたなぁ。ドバイにいっておくかは迷う。(だって多分フィールドはないし)

2024年総括その2今年やったこと

毎年こういう総括を書き続けているが、
書いたこと、話したことはだいたいこちらを見ればわかりそう
https://researchmap.jp/sakuma_daisuke
まぁそういうふうにまとめておくことが世の中の標準になったのは良いことやね。
意外とマメに自分でもつけてる気がする。

ざっくり2024年を振り返ると。

新春〜春 横須賀で講演したり、日博協の研究協議会にでたり。

春 SDGsを博物館に落とし込むためのRISTEXに時間を使ってたのと、Innovate Museum事業、SPNHCの仕込みにそれなりに時間がない中でヒイコラ言っていました。ちょこっと解説ビデオ作っています。
そして新たな科研がスタート。

夏 SPNHC/TDWG沖縄大会がメインディッシュ。そうそう、この大会の講演ビデオがすべて無料公開されています
私達のセッション公開されていますよ。現在まだ報告執筆中。

秋 図書館総合展で3日間ブースを貼りました。博物館大会松本にも行きました。この辺が同来年につながっていくか。ARGで記事にしました。

冬 ワークショップ評価のシンポをやったりなど。これをどう成果にするかは検討中。

といったところが今年のピークでしょうか。
博物館の方はもっともっと良い博物館にしたいと色々努力をしていますが、まだまだ実を結んでいません。

今年は委員会仕事は大きかったけど依頼講演は少なめ、でもディスカッションコーディネーターはよく頼まれる。

原稿依頼は多かったなぁ。この先のやりたいことは次のエントリーで。

2024年総括その1いった博物館

2024年に行った博物館をとりあえず書き出してみる。スマホの写真を見ての確認。どこか忘れてる気もする。美術館とかで写真取らないとこは抜けがち。。

北海道開拓記念館(5月)
北海道立北海道博物館(5月)
北大総合博物館(5月)
いしかり砂丘の風資料館(5月)

遠野市立博物館(7月)
陸前高田市立博物館(7月)
東日本大震災伝承施設「南三陸311メモリアル」(7月)
南三陸町自然環境活用センター(7月)
みやぎ東日本大震災津波伝承館(7月)

栃木県立博物館(1月、9月)
国立科学博物館つくば研究資料センター(9月)
国立科学博物館(7月)
国立西洋美術館(7月)
東京大学総合博物館インターメディアテク
板橋区立教育科学館(8月)
SEIKO SEED 原宿(10月)
TAKAO599(10月)
森林総合研究所多摩森林科学園森の科学館(10月)
平塚市立博物館(8月)
横須賀市立自然人文博物館(1,3月)
横須賀市立美術館
神奈川県立生命の星・地球博物館(4月)
松本市立博物館(11月)
松本城(11月)
松本市時計博物館(11月)
三重県立総合博物館(8月)
彦根城(3月)
滋賀県立琵琶湖博物館(2月)
京都府立植物園(9,10月)
森下正明記念展示室(12月)
京都大学総合博物館(12月)
京都大学大学文書館(百周年時計台記念館1階 歴史展示室)(12月)
京都文化博物館(12月)
永守コレクションギャラリー(1月)
高槻市立自然博物館(10月)
国立民族学博物館(5月)
大阪中之島美術館(3月)
大阪市立東洋陶磁美術館(6月)
大阪歴史博物館(6月)
大阪市立科学館
深江郷土資料館(8月)
藤田美術館(10月)
岸和田城(1月)
きしわだ自然資料館(7,9月)
平城宮跡資料館(6月)
市立伊丹ミュージアム(9月)
神戸大学大学史資料室(12月)
明石市立文化博物館(8月)
明石市立天文科学館(8月)
和歌山大学紀州経済史文化史研究所展示室(9月)
北九州市立いのちのたび博物館(1月)

那覇市歴史博物館(以下8月末〜9月)
沖縄市立郷土博物館
浦添グスクよーどれ館
宜野湾市立博物館
恩納村文化情報センター及び博物館
世界遺産座喜味城跡
ユンタンザミュージアム(読谷村立博物館)
沖縄県立博物館・美術館
沖縄市立郷土博物館
沖縄こどもの国
中城村護佐丸歴史資料図書館
沖縄県立図書館
首里城
玉陵

 「図書館総合展『越境・OPENのための逗留地』参戦記」

以下はARG1038に掲載されたもの。
CC-BY-NC 4.0なので自分で転載。

 「図書館総合展『越境・OPENのための逗留地』参戦記」

     佐久間大輔(次世代文化施設フォーラム、大阪市立自然史博物館)

2024年11月5日(火)〜7日(木)に横浜市のパシフィコ横浜Cホールで開催された第26回図書館総合展2024に「越境・OPENのための逗留地」(大向一輝(東京大学)/呉屋美奈子(恩納村文化情報センター)/佐久間大輔(大阪市立自然史博物館)/佐々木秀彦(アーツカウンシル東京)/花田一郎(大日本印刷株式会社)/福島幸宏(慶應義塾大学))として出展・参加する機会を得た。

2019年までの総合展、つまりコロナ禍前にはOpen GLAMを追求していた「OPENのための逗留地」が活動を展開していた。これに2020年以降、主にオンラインで活動を展開した次世代文化施設フォーラムが合流して、主にOPEN DATAという文脈で図書館とミュージアムの垣根を越えるための活動を展開したものである。
越境フォーラムとしても、ボーンデジタルな資料にどう向き合うのかは大きな課題としてきたことからこの展開は素直に延長線上の活動とすることができた。


■「逗留地」の役割

「『逗留地』なんて気取った用語使って」と思われる向きもあるかもしれない。いろいろな人がここで足を休め、いっとき留まり、交流が展開されることを期待しての命名である。職場の中で、さらに分野の中で議論を積み上げることも大切なのだが、思ってもいなかった出会い・会話が化学反応をおこして次の展開を生むことがある(越境フォーラムもそうした成り立ちであった)。

そのための畳であり、ミニセッションであり、オンライン展開である。前回より大幅に拡充され6畳間となった畳敷きにはちゃぶ台よろしく積み木箱が鎮座し、持ち込みの各地のお土産が来場者を癒やしていた。ミニセッションで立ち止まる人、ミニセッション目当てでやってきた人が入り混じり、セッションから離れた椅子とテーブルではちょっと腰を下ろしてPCを開く人などもいた。

ミニセッションはセッション主催者が希望すればオンライン参加者も受け入れ、アーカイブ化した。オンライン参加者・再生数ともにそれほど大きなものではないが、図書館総合展会場の中と外をつなげる回路である。このように、「ミニセッション企画による新しい展開の火種づくり」、「休息・交流の場の確保による出会いの創出」、「図書館総合展と総合点の外の世界との接点づくり」の3つの目的はそれなりに達成されたように感じる。なによりも、賑やかに楽しそうに談笑する参加者の姿があった。


■逗留地で開催したブース・セッション

ブースでは多彩な「ブース・セッション」が展開された。どのような話題が展開されたかは以下のサイトでプログラムを確認いただきたい。
https://openglam.github.io/LF2024.html


一部のセッションはオンライン上でアーカイブを公開している。
https://sites.google.com/view/jisedaiforum/home

地域における文化施設の意味を問い直すものからオープンデータを扱うためのテクニカルなもの、地域行政の検討の場、国際的な視座から考えるものなど、振り幅の大きな多彩なセッションとなった。

ただし、ブースはスピーカーズコーナーや別会場で展開されている大会セッションとは異なり、座談的なテイストを大事にした。どなたかがおっしゃっていたが、現在の大会の方向性にあった大会セッションや今の図書館の活動を語るスピーカーズコーナーと異なり、ブース・セッションでは図書館総合展で扱っていない、しかしこの場に重要なテーマが集められた。

Open GLAMと越境フォーラム関係者が中心となったコーディネートのためにOPEN DATAに関わるもの、デジタルな文化資源に関わるテーマが自然と中心になり、その結果博物館、特にオープンデータ関連の動きが活発な自然科学系博物館の話題も取り込まれる結果となった。
これはある意味で図書館総合展に新たな参加者層を少しは作ることにつながったのかもしれない。総じてメーカー主導でもなく個別事例発表でもない議論の場にできたように思う。


■今後の課題

博物館と図書館の越境という点に関しては、最終日の「図書館総合展で博物館を語る」や関連セッションも組まれ、今次総合展の特色となったように思う。なかでも、神代浩氏が半田さんとの対談の最後に、かつてのART MUSEUMM ANNUALEに変えて"ALL MUSEUM ANNUALE"として来年の併催を提言した。

果たして、これを受けて来年度の図書館総合展実行委員会がどのような構成を組み、どのような出展者を迎え、博物館界がどのように応えていくのか。越境を架橋、協働のステージに上げていくことができるか、その真価が問われることになる。

越境を架橋とするためにはさらなる工夫が必要だろう。中でも、博物館と図書館が協働することで何が変わるのか、についていくつかのレイヤーで具体に提案していく必要がある。現実の施設でのサービス、データの流通、まちづくりや文化政策など、リアルから高次の政策、マネジメントまで異なるレイヤーでそれぞれに具体的な提案が必要だろう。

図書館総合展が、現場の図書館関係者、そして博物館関係者がヒントや視座を得て、知識だけでなく明日への目標と活力を再充電する場として更に成長していくためにも、デジタルの素晴らしい未来だけを声高に宣伝するのではなく、うまくいっている先進的な取り組みをピックアップして検証すること、うまくいっていない事例の要因を追求して改善を考えること、そのどちらもが必要であり、さらに少々夢想的でも近未来の理想像を描き提言するプロトタイピング的な提案も望みたい。

それを部分的にでも実現するためにも、逗留地、あるいはその後継企画が更に発展してほしいと考えている。

自然科学系の市民科学者を育てるために

市民科学者,あるいはアマチュア研究者というのはどういう人を言うのか。
広義で言えば,職業研究者ではないが,学術的貢献をする人,というのがうちの職場でのコンセンサスだと思う。
多分そこにも段階がある。単なる科学に興味のある人の段階から,1a「市民参加型研究」に参加する人になる,あるいは1b「研究者と交流を持つ」,というのが最初の段階。1bの方は職業研究者も参加するミニ学会や研究会とか,学会の交流企画とか。自然科学系の学会はアマチュアに門戸を開いているところも珍しくない。
次に2「ちょっとした報告を自分の責任で書いてみる」。報告のためのお作法とか,おさえなければならない事実とかをちゃんと把握してないと書けない。1bからだと,指導の行き届いているところだと,新人の促しから校正指導まで,ここのところはまぁまぁできるのだけど,1aだけだと,データをまとめて解析して文章化するプロセスを研究者だけでやっちゃうケースもしばしばあるので2に繋がりにくい。少人数のプロジェクトだと分担で書くとかできるけど,大きなプロジェクトだと執筆者グループに参加するのは,もう実績のある人になりがち。

実はこの2のステップに上がるための指導を充実させることがとても大切なのではないか。自然史分野で言えば,標本を作り,記載図を用意し,過去の報告を読み,統計の手法を知りといった,卒業研究や大学院で教えるようなことを気長に市民に指導する。なかなかとんでもない労力でもある。

市民に開かれた科学プロジェクト,というCitizen Scienceなら1だけで十分何だけど市民科学者養成だと2がないと,その先に3自分で論文書ける人,4自分で課題見つけて自然を解明する人
といった市民科学者の高みには登れない。

ちなみにサイエンスコミュニケーションの世界には「サイエンスライティング」というプログラムがあるけどメディア・リテラシーに関わるプログラムでメディアの流す科学情報を批判的に見る訓練のような(雑なまとめ)。自分の目の前の現象を書き表す訓練ではまったくないなぁ。

これはあれか,むしろ私の苦手なこのあたりの本のほうが参考になるのか。(ポスター発表が画一的になって仮説検証ばかり,記載的に愚直にデータを取るようなポスターは減り,見つけたことの価値を自分でわかってないポスターが増えた一因だとも思っていたので。参考 だったら違うポスター解説本を出せって?)

博物館でいうと研究会の雑誌や友の会会報はそういう役に立っているのだと思う。ネット時代にはどうだろう

というようなことを今書きかけていて,このエントリーはそのための構想メモ。



梅田の駅ビルの本屋またはカフェ。

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大阪駅の北側,ルクア1100の9Fに蔦屋書店がある。ホームから見上げ,場所代の高い駅ビルで低採算の書店をどうやって成り立たせているのだろうと興味があった。

まさにその疑問に答えてくれる記事がこちらだったのだが,いろいろ思うことを追記してみる。
「なぜ"蔦屋書店"には必ずカフェがあるのか」https://president.jp/articles/-/24402

・朝8時半から営業。
出社前にあの本をGet,が可能ということ。
周辺はコンサル会社とかメディアとかクリエイティブ産業も多い。そして9時始まりでない会社も多い。つまり「朝活」にすら使える場所になっているように思う。そこにカフェがある意味は大きい。

・土日も朝8時半から営業
私が見に行ったのは実はこの時間帯なのだが,棚を見て回って(目的の本がはっきりあるわけでもなく)ブラウジングしている感じの客が多かった。梅田,という街で少し落ち着いた「待ち合わせ場所」,用事までの間のアイドルタイムを潰せる場所としての本屋というのはやはり鉄板だし,朝から開いてて,落ち着いた雰囲気があって,カフェもある蔦屋は紀伊國屋や旭屋より軍配が上がるだろう。ジュンク堂は茶屋町も堂島もやや遠い。

・有料ラウンジもある
朝活,待ち合わせの延長,と言ってもいいかもしれないが,1時間1000円の有料(ホテル並かな!)のラウンジがある。ちらっと見るとガッツリPC持ち込んでお仕事の方もいた。有料図書館的なスペースになっているのか。
 つまり,本屋専業ではなくて,かなり高級カフェとしての収益がウェイトを占めていると思う。もちろん本に合わせて関連商品があったり,という”凝った商品構成”も収益につながっているのだろう。そしてそれらを支えているのは前出の記事も指摘するとおり,空間デザインと,品揃え(網羅的ではなく,セレクト)かもしれない。

・地域を見ての店舗設計

銀座蔦屋
https://store.tsite.jp/ginza/
は梅田と同じく,高価格商業地Ginza six での展開だが,こちらはギャラリーなども併設し,かなり集客イベントをやっている。明るく,ビル全体の華やかな雰囲気が共有されていた。梅田のほうが照明設計も含めて「落ち着いた」側にふっていて,回し方が違うのだろうと感じる。

枚方T-Site
https://store.tsite.jp/hirakata/
創業の地での,ビルの主テナントとしての展開は,また違うアプローチだが,こちらは家族連れを重視した作りで,和歌山などの図書館展開に似た感じがある。住宅地を背後に控えた枚方という地域なのだろう。

京都はフロア面積はそこまでではないし。。。いずれにせよ,店舗ごとに経営スタイルが違っているのだろうと思う。
自然史博物館のような業態でのコミュニケーションスペースの使い方を考えた際に梅田の戦略はなにか参考になりそうな気がする。もう一度高いコーヒーや金払った分もと取らなきゃ感が漂う(いやそんなことも止めちゃいけない)ラウンジを利用してみようかな,と思った。空間デザイン含め,ヒントはあると思っている。


閑話休題
余談だが北ヤードは植栽の感じが見えてきたが,,どうなるかなぁ。。

IMG_20240811_090533

RMeCab Mac導入メモ

R,RStudio導入
https://best-biostatistics.com/r/rstudio_start.html

RStudio使い方基礎
日本社会心理学会 第5回春の方法論セミナー 関係資料
https://kazutan.github.io/JSSP2018_spring/intro_rstudio.html
Homebrew 
https://brew.sh/ja/
MeCab導入
https://ja.exploratory.io/note/2ac8ae888097/Mecab-RMeCab-0944283373151109
https://rmecab.jp/new/install-rmecab/
RMeCab 導入
https://rmecab.jp/wiki/index.php?RMeCab

RMeCab使い方基礎
大東文化大水谷様
http://www.ic.daito.ac.jp/~mizutani/mining/morphology.html
テキストマイニングツールRMeCabとRCaBoCha について
http://rmecab.jp/wiki/index.php?plugin=attach&refer=RMeCabFunctions&openfile=tokei2010prosper2.pdf
ワードクラウドと共起ネットワーク
https://www.medi-08-data-06.work/entry/text_mining
Rとigraphを使ったネットワーク解析と可視化
https://www.nemotos.net/igraph-tutorial/NetSciX_2016_Workshop_ja.html
日本語でトラブったときの参考(これはまだよくわかってない)
https://note.com/mitti1210/n/n17404ec92948

私は共起ネットワークの方は
ngram %>%
+ filter(Freq>=8) %>% #5回以上出現する共起語
+ graph.data.frame(directed = F) %>% #おまじない
+ plot(vertex.size=3, #ノードの大きさ
+ vertex.label=V(.)$name, ##ノードのラベル
+ vertex.label.font=1, #ラベルのフォント
+ vertex.label.cex=1,#ラベルの大きさ
+ vertex.frame.color="red", #ノードのいろ
+ vertex.label.family="Osaka-Mono",#日本語を表示させる
+ vertex.label.dist=0)#ノードとラベルとの距離


でなんとかした。頻度分布の方は
res_freq%>%
filter(Info1=="動詞") %>%
arrange(desc(Freq)) %>%
head(40) %>%
ggplot()+
geom_bar(aes(x=reorder(Term,Freq),y=Freq,fill=Info1),stat="identity")+
coord_flip() +
theme(plot.title = element_text(hjust = 0.5))+
theme(plot.title = element_text(family = "Osaka-Mono", size = 11),
axis.title.x = element_text(family = "Osaka-Mono", size = 11),
axis.title.y = element_text(family = "Osaka-Mono", size = 11),
axis.text.x = element_text(family = "Osaka-Mono", size = 11),
axis.text.y = element_text(family = "Osaka-Mono", size = 11))


こう設定したらうまく表示できた。ワードクラウドはこんな感じ
スクリーンショット 2024-06-29 17.20.40


共起ネットワークはきのこ共起ネットワーク(3回)


ちなみにこれらをやるのに必須のパッケージは
ggplot2
igraph
RMeCab
tidyverse
wordcloud
くらいかな
こんな感じ。今日は遊んでみただけだが、もうちょっと使い込んでみたい。
大阪市立自然史博物館




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